7月4日(水)に、「多摩区医科歯科連携セミナー」に出席しました。
これは、多摩区医師会と多摩区歯科医師会の共催で初めて行われた講演会です。 超高齢社会になった日本ですので、国は、病院だけでは無理なので、地域や家庭で看取りを行えるようにしたいとの考えから、地域包括ケアという概念・システムを構築していこうとしています。
従いまして、これまで以上に、多職種での地域での協働が必要であり、当然医科と歯科の連携の必要性が高まっております。その一環として、昨年はじめて多摩区歯科医師会と多摩区医師会で顔見せとして懇親会を行い、今回、はじめて多摩区医師会企画のもと講習会を共催しました。
はじめに抗血栓療法と歯科治療に関して帝京大学医学部付嘱溝口病院 循環器内科准教授 鈴木 伸明先生にご講演していただき、
次に骨粗鬆症治療と歯科治療に関して東海大学医学部付嘱病院 歯科口腔外科教授 太田 嘉英先生にご講演していただきました。
抗血栓療法(いわゆる血液をさらさらにするお薬)については、当然常日頃勉強していますが、、改めてポイントになることを知ることができ勉強になりました。
基本的には、休薬することなく抜歯可能ですので、患者様には、まずお薬手帳等を持参していただき服薬状況を教えていただければと思います。
骨粗鬆症の薬と歯科治療(主に抜歯に関してですが)については、とても戸惑いました。
ご存知のかたも多いかと思いますが、ある種類の骨粗鬆症の薬を服用しているかたの歯を抜くと、抜いた部分が治らず骨が露出したままになる骨壊死という状態になる場合があります。
実際には1%以下の発症率と言われておりますが、臨床医の感覚としてはもっとあると聞いております。10数年前から我々臨床医も知ることになりましたが、どうしたら起こらないようにできるかは、未だに定まっておりません。ガイドラインという【こうしたら良い】というものがないのです。【まあ今はこんな感じですよ。根拠はありませんが】というポジションペーパーしかないのです。
3年前までは、3年以上服薬している方は注意し、糖尿病・膠原病・リウマチ等の免役力の低下する持病をお持ち方の場合は、3か月休薬し抜歯、その後2か月休薬し治癒を確認したら服薬を再開することを推奨されていましたが、現在は3年以上服薬ということは一切で出ていません。
ビスホスホネート系の薬は、簡単には排泄されず、ずっと残っていることが明らかになったようです。
結局は、来院された患者様の持病、服薬状況等をよく伺い、患者様への説明、相談をしっかりするしかないようです。
医科から出ているお薬を飲んでいる方は、必ずお薬手帳や薬局などでもらった薬剤情報用紙を、歯科に受診される際は持参していただきたく思います。